2026/05/20
春に体調を崩しやすいのはなぜ?
― 漢方で考える「気の乱れ」
暖かくなり、草木が芽吹く春。
本来は活動しやすい季節ですが、一方で、
- なんとなく体がだるい
- 気分が落ち着かない
- 頭痛やめまいが増える
- イライラしやすい
- 朝起きづらい
- 胃腸の調子が不安定
- 花粉症が悪化する
- 眠りが浅い
といった不調を感じる方も少なくありません。
検査では異常がないのに、「春になると毎年調子を崩す」という方も多くみられます。
和漢診療では、こうした春特有の不調を、“気の乱れ”という視点から捉えることがあります。
春は「気」が動きやすい季節
漢方では、春は「発散」「上昇」の性質をもつ季節と考えられています。
冬の間に内側へこもっていたエネルギーが、春になると外へ向かって動き始めます。
植物が芽吹くように、人の身体も活動モードへ切り替わっていく時期です。
しかし、この“動き”がスムーズにいかないと、
- 気が滞る
- 気が上にのぼりすぎる
- 自律神経が乱れる
- 心身のバランスが崩れる
といった状態になりやすくなります。
特に、もともとストレスを抱えやすい方、疲労が蓄積している方、胃腸が弱い方では、春の変化についていけず、不調として現れることがあります。
春に多い「気滞(きたい)」の症状
春は、漢方でいう「気滞(きたい)」が起こりやすい季節です。
気滞とは、“気の巡りが滞った状態”のことを指します。
代表的な症状としては、
- のどの詰まり感
- 胸苦しさ
- 深呼吸したくなる
- お腹の張り
- イライラ
- 気分の落ち込み
- 頭痛
- 肩こり
- めまい
- 月経前の不調
などがあります。
西洋医学では「自律神経の乱れ」や「ストレス症状」と表現されることも多い領域ですが、漢方では“気の流れ”という視点から全体を捉えていきます。
「春だから不安定になる」のは自然な反応でもある
春は、
- 気温差
- 気圧変化
- 花粉
- 新生活
- 人間関係の変化
- 環境変化
など、身体にも心にも負荷がかかりやすい時期です。
特に日本の春は、寒暖差が大きく、自律神経への負担も少なくありません。
そのため、春に不調が出ること自体は、ある意味では自然な反応ともいえます。
ただし、毎年つらい症状を繰り返す場合には、体質的な偏りが背景にあることもあります。
春の養生で大切なこと
春は「頑張って整える」というより、“滞らせない”ことが大切です。
例えば、
軽く体を動かす
散歩や軽い運動は、気の巡りを助けます。
朝の光を浴びる
生活リズムや自律神経を整える助けになります。
締め付けすぎない
予定を詰め込みすぎたり、無理に頑張りすぎると、気の巡りが悪くなりやすくなります。
胃腸を弱らせすぎない
春は意外と胃腸が不安定になりやすい季節です。
冷たいものや暴飲暴食には注意が必要です。
「体質」をみることで、春の不調は変わることがあります
同じ「春の不調」でも、
- 気滞が主体なのか
- 気虚が背景にあるのか
- 水滞を伴うのか
- 冷えが関係しているのか
によって、考え方や処方は変わります。
和漢診療では、単に症状を抑えるだけでなく、その方の体質や背景を含めて全体をみながら整えていきます。
「春になると毎年調子を崩す」
「病院では異常がないが、なんとなくつらい」
そのような症状も、体質という視点からみることで、別の見え方ができることがあります。






